このところ、目覚ましい経済発展を続ける途上国を見ていると、注目点があります。それは、日本のサービス業の進出です。今までは、例えばODAの活用で多くの建設関連企業が途上国で活躍しています。日本の最先端の建設技術が多くの国でその実力を発揮しています。次に製造業の場合、いうまでもなく世界中にその製造拠点が置かれ、日本式の生産管理方式がお手本になっているともいえるでしょう。これらは、日本の基幹産業の一部分であり、その技術力やノウハウが優れていることは世界中で認められています。
しかし、ここ近年、今まで見られなかった現象が表れ始めました。それは日本のサービス業の進出です。例えば、飲食業の場合、外食産業が本格的に海外への進出を始めています。健康に良いとされる和食がブームになっていることもありますが、例えばラーメンの場合、先進国も途上国も同じように急速にブームが拡がりつつあるようです。すでに、ヘアサロンの進出はかなり以前から始まっていて、日本人のセンスの良さが光っていると分野だといえるでしょう。
そして、これからは医療や介護といった分野でも日本から海外への進出が始まろうとしています。医薬品や医療機器の輸出にとどまらず、病院システムを丸ごと輸出するといったケースや、介護施設を運営するという話も始まっています。注目すべき点は、これらはすべて3Kあるいは、それに相当する厳しい職場だと日本国内で評されていることです。この分野で働く人にとって、今の仕事が近い将来、海外での活躍につながるかも知れません。3Kでも、いや3Kだからこそ、世界に通用する技術がそこにあるといえるのではないでしょうか。